旅日記北海道編2009 孤高(3)





第3日目 湖畔祭




朝は午前4時ころ目が覚めたので、散歩がてら「ペシ岬」に登ることにした。
天気は曇り。利尻は雲に隠れ、全く見えなかった。
 昨日のうちに山に登っていて本当に良かった。

  

 ペシ岬は、鴛泊港の端にあり、標高90m程の岩山だ。
 登山による足のダメージは少なく、登り道も問題なかった。

  








 曇っていて諦めかけていたのだが、雲の切れ間から朝日を見ることができた。
 さらに、10分程すると、風が雲を払い、さっきまでの光景が嘘のように利尻岳が顔を出した。

  

 利尻を後にする旅人に別れを言うため、最後に顔を出してくれた、そんな気がした。

 朝食を食堂で済ませ、マルゼンに歩いて戻る。
 今日は、朝一番の礼文島行きのフェリーに乗ることに決めていた。
 時間まで原付でも借りようかと思っていたが、まだ店が開いていなかったため、部屋でのんびり過ごした。

 フェリーには、昨日一緒に利尻岳に登ったおっちゃん2人も乗っていた。
 2人とも今日は礼文岳に登るという。俺は去年登ったのでパスだ。
 バスの接続が悪いことだけ教えておいた。

  









 午前11時前に礼文島に到着した。わずか1時間弱の船旅だ。
 三年連続、四回目の礼文島だ。

 礼文島に着いてすぐ、レンタルバイクの店へ。
 1時間1000円で4時間原付を借りる。
 おっちゃんに毎年お世話になっていることを告げると、荷物を置かせてくれたうえ、缶コーヒーもくれた。さらに、軍手も貸してくれ、寒いからとジャンパーまで勧めてくれたが、流石に辞退した。

  

 今日の礼文島は曇り。利尻は全く見えなかった。
 最初の目的地は元地方面だ。

  

 まず、「桃台猫台」に登る。曇天でも、礼文島の海は美しい。
 ここから見える桃岩、猫岩も壮観だった。
 この海の色を見ると、礼文に帰ってきたと実感する。

  

  

 次に、桃岩荘の「BEN&JOEハウス」、通称ベンジョハウスに行く。
 今回、日程の都合上、桃岩荘には泊まらないが、少しでも雰囲気を感じておきたかった。

  

  

 驚いたことに、昨年と同じヘルパー、Gさんがいて、俺のことを覚えていてくれた。
 昨年、新人だった時、お客に出すカレーを初めて作ってくれた人だ。
 昨年同様、シーフードカレーとカルチチを頼む。
 流石にカレーは上達していて、美味だった。

  

 昨年歩いた24時間コースのことや、最近の桃岩荘のこと等を話し、つい長居してしまった。

 続いて、「高山植物培養センター」へ。
 通常なら6月上旬ころ終わってしまうレブンアツモリソウを見ることができる。
 近年、盗掘等で数が激減している稀少種だ。初めて見るレブンアツモリソウは、気高く、可憐だった。

  

 続いて西上泊の澄海岬(すかいみさき)に向かう。

  

 昨年、礼文島一周24時間コースを歩いた際、澄海岬の売店のご主人・道場さんにバナナをもらったり、色々親切にしてもらった。
 昨年、無事歩き終えたことの報告と、お礼が言いたかった。
 とりあえず、タコザンギ(唐揚げ)を注文すると、ご主人も奥さんも俺のことを覚えていてくれ、改めて、お礼を言うことができた。
 澄海岬は、礼文島有数の観光スポットだけあり、まさに澄み切った海を見ることができた。

  

  

 原付を返すと、宿の送迎まで時間があったので、ホテル礼文の喫茶店「風露」に行った。
 マイミクのIさんお薦めの「あつもりロール」と、「ふうろブランマンジェ」(それぞれ300円)を注文する。

 あつもりロールは、控えめな甘さが上品な塩キャラメルのクリームが入り、美味。
 ふうろブランマンジェは、豆乳のプリンに黒ゴマのソースをかけたもの。微かに生姜の風味(間違ってるかもしれないが)がして、大人向けのスイーツといった感じだった。

  

  

 「ネイチャー礼文」を見学し、ターミナル付近を散策すると、礼文島初の温泉施設である「うすゆきの湯」が完成しつつあった。

 酒井法子に逮捕状というニュースに衝撃を受けつつ、今夜泊まる「星観荘」の迎えをフェリーターミナルで待つ。

 午後5時、星観荘のオーナー・彦さんが迎えに来てくれた。

 今日は、船泊の「湖畔まつり」があるので、夕食はなく、各自祭の会場で食べるという変則的なスケジュールだ。祭の会場まで直接送迎してもらう。

 湖畔まつりの会場は、どこからこんなに人が集まったんだという位賑わっていた。
 沢山立ち並ぶ屋台で、魚介類等を購入する。
 ボタンエビ1匹100円、つみれ汁200円、ムラサキウニ1匹300円!と、かなりお得だ。

  

 面白いことに、地元の人は、魚介類に興味がないのか、焼き鳥や焼きそば等が人気だ。
 魚介類以外の値段は普通で、綿あめは500円と有り得ない値段だった。

  

 ウニやボタンエビ等を堪能し、俺は「双葉食堂」へ向かった。ここは一見、どこにでもあるような食堂だが、何を食べても美味しい知る人ぞ知る名店だ。
 今回は、中華丼(800円)にしてみた。
 海鮮中華丼とでも呼んだ方がよいと思う程、つぶ貝やイカ、エビ等がふんだんに入り、ボリュームがあり、美味だった。
 先ほど買い食いしたにもかかわらず、ペロリと完食してしまった。

 食堂を出ると、ちょうど夕日が沈み始めていた。

  

  

 スコトンやトド島に日が沈む光景は新鮮に感じた。

  

  

  

 祭に戻ると、ウニがひとつ100円にまで値下げされていたため、つい買ってしまった。

 宿では、今日はミーティングも省略され、飲み会になる。
 前回、同宿だったBさん、マロさん、数年前に8時間コースを一緒に歩き、俺が熱中症になった時助けてくれたKさん等、知り合いもいて、楽しい飲み会になった。

 今夜は月夜で空が明るかったが、星も十分見ることができた。





to be continued…


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